IoTって何?今さら聞けないトレンド用語を分かりやすく解説

最近よく「IoT」という言葉を聞くようになりました。

しかし、「IoT」の意味を完ペキに理解できている人もそう多くいないのではないでしょうか。
ニュースなどで聞いたことはあるけど何のことか分からない、そもそも「IoT」ってなんて読むの?などの疑問を持つ人も多いかと思います。

そこで今回は、「IoT」とはいったい何なのか、どういったものが「IoT」と呼ばれるのかなど具体例を用いて詳しく解説していきます。

IoTとは

IoTの読み方はアイオーティーで「Internet of Things」という言葉の略になります。

意味としてはモノがインターネット通信を行うことで思考を持つというイメージが分かりやすいかと思います。

これまでのインターネットは、パソコンとサーバー間、パソコンとその周辺機器をつなげることが主流でした。
しかし、IoTの登場によってスマートフォンと家電の連携、スマートスピーカーなど様々なインターネット技術革新が行われています。

IoTという言葉の定義は特にはないのですが、従来までインターネットに繋がっていなかった家電製品や家具がインターネットに繋がるとIoTとなります。
それでは、IoTの仕組みとはどのようなものなのか、IoTと呼ばれるものにはどんな製品があるかなどご紹介していきます。

IoTの仕組みとは

IoTの仕組みで中心となっているものはデータの蓄積になります。IoTに適しているモノにはセンサーや無線、物によってはカメラなどが内蔵されており、使用されるごとにデータを蓄積していっています。

そして、インターネット接続によって蓄積した情報をデータベースに保管します。
人間が学習することと同じ仕組みで、「Aパターンでは対処法A'を」といった具合にモノが学習するようになるわけです。

まさにIoTの語源である「Things」ですね。

今でもIoTが発達し私たちの日常生活がより便利になってきていますが、モノからインターネット上にデータを送る処理が速くなれば、これまで以上にIoTの可能性は広がるでしょう。
最近では「5G」の普及率が増えることで、さらにIoTが向上することが予測されています。

5Gについて詳しく知りたい方は、5Gって何?「G」はギガじゃない?今さら聞けない5Gについて徹底解説をご参考ください。

IoTの歴史

最新テクノロジーと思いがちのIoTですが、実は1980年から議論がされていました。

1990年代にマイクロソフト社がAt Workというオフィス用の機器とPCの統合環境サービスを発表するなど、IoTの第一ブームが起こりました。また、マサチューセッツ工科大学ではAuto IDラボによるRFIDを使った実証実験が開始され大きな盛り上がりがありました。

2000年代には現在のIoTの先駆けともいえる機械同士の通信を意味する「M2M(Machine to Machine)」が登場し、第二ブームが起こりました。
さらに、この時期にドイツが国家戦略で「Industry4.0」を掲げたことで、工場などにIoTの導入が進み、のちに「第四次産業革命」に発展しました。

現在、起きているブームは2013年からの第三ブームです。
多くの人が身につけているスマートウォッチなどのウェアラブルデバイスや、スマートスピーカーなど益々、私たちの生活に身近な存在になっています。

IoTの可能性と展望

IoTは無限大の可能性を秘めています。

モノや機械だけでなく、私たち人間の行動には膨大な情報があります。これらの情報を集めてこのパターンではこうなるといったことが分かれば日常生活で起こりうる様々な問題を解決することができます。

IoTの根端である「インターネット×モノ」の技術は飛躍的に進化をしていて、私たちの生活を大きく変えていくでしょう。

それでは、具体的にどのようなIoTがあるのかご紹介していきます。

暮らしを快適にするスマートハウス

近ごろよく耳にする「スマートハウス」という言葉。
これもIoTの一種で、家中にある多くの家電や設備がインターネットに繋がっている状態のことです。

例をあげると、数時間後に来客があるけど今外出中で掃除ができない時にスマートフォンからお掃除ロボットを作動させたり、カーテンがタイマーと連動して起床時間になると自動で開くなど様々なIoTがあります。

このように、IoTは私たちの生活をより快適にしてくれるものなのです。

自動車のIoT化で事故を未然に防ぐ

自動車がインターネットに繋がることで、道路の交通状況を事前に知ることができます。
それにより、渋滞情報などが分かり目的地に最短で着くルートを選べるので物流業界にも好影響を与えるでしょう。

また、歩行者の飛び出し時のブレーキアシストや高速道路でのハンズフリー運転などによって事故を未然に防ぐことができるようになります。
運転をする際の安全性の向上にもIoTは役立っているのです。

トヨタ社はより安心・安全にドライブを楽しめるよう自動車と通信センターをつなげたサービスを展開しています。
以下の公式サイトで自動車のIoT化が具体例をあげて紹介されているので、ぜひご参考にしてみてはいかがでしょう。

トヨタのコネクティッドサービス

効率的な生産、物流が可能になり良い経済効果をもたらす

生産業界、物流業界では徐々にではありますがAIによる無人運転技術、ドローンを使った運搬、ロボットを使って倉庫での作業の効率化が実現していっています。

また、農業でもセンサーを使って太陽光の量を測り、最適な水や肥料の量を算出されるなどのIoT化の動きが見られます。
雨など急な天候の変化にも遠隔操作で対応できるので、今後ますます農業への好影響が期待されています。

在宅医療で医療崩壊を防げる

IoTは医療現場でも良い影響をもたらしており、主にウェアラブルデバイスが医療現場に貢献しています。

ウェアラブルデバイスとはスマートウォッチなどの身につけるものの総称で、自宅から血圧や脈拍などの健康状態に関する情報を医療機関に送信して、もし異常がある場合は早急に診察・処置を受けることができるものになります。

医療のIoT化は地方での医師不足問題の解消や、全国の医師の診察や治療が受けられるため感染症による医療崩壊防止にも繋がると言われています。

IoTの課題点

ここまでIoTには無限の可能性があることを解説してきましたが、IoT社会を実現するための大きな課題点もあります。

それは「人材不足」です。
特にIoTは膨大なビッグデータを分析する必要があり、これを扱うには相当のスキルがあるエンジニアが必要になります。

しかし、日本では人材がまだまだ足りていないのが現状です。
また、IoTを使用するためには常にインターネットに接続していなければならず、長時間の利用に耐えられるバッテリー性能も重要になってきます。5Gの普及によりIoTデバイスに対応できるインターネット環境や通信速度は改善されるものの、バッテリー性能の向上はまだまだ課題です。

さらに、IoTの活用を検討している企業側としては、導入できるまでの期間が長いことと高額のコストがリスクになります。革新的なIoTですが、まだまだ一般企業に導入されるようになるのは時間がかかりそうです。

まとめ

IoTが持つ多様な可能性から、IoTは様々な業界への需要が期待されています。
また、日本では労働人口の減少やコロナ禍によって急速に発展したデジタル化が後押しし、IoTの普及率も増えつつあります。

しかし、他の諸外国と比べると日本ならではの問題がまだまだ多いのも現状です。
これらの問題が解決すれば、本格的にIoT社会が実現するでしょう。

スマートホームやスマートウォッチなど身近なものに普及が進んでいるので、これからの市場拡大に期待です。

 

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