こんにちは!
今回はWeb3について書いていきます!
突然ですが、皆さんは『Web3.0(ウェブスリー)』という言葉を聞いたことがありますか?
昨年(2021年)から日本でもブロックチェーンを利用したNFTやMeta(旧Facebook)社が率先して進めるメタバースが話題になりました。
そんな目まぐるしく変わる昨今のテクノロジーに対して「リアルで友達と会う方が楽しいし、メタバースは日本で流行らないでしょ」「なんか仮想通貨って怖いし今まで通りコツコツ貯金が一番」と興味が薄れていないでしょうか。
この最新テクノロジーに対する世間の反応は10年前にスマホが登場した時に「ガラケーで十分でしょ」と言っていたことと非常に似ています。
当時、ガラケー派と言っていた人たちはどこへ行ったのでしょうか。
今となっては電車に乗ると中高年の人たちですらもスマホゲームに夢中になっています。
「メアド交換」や「デコレーションメール(キラキラした動く絵文字で装飾されたメール。通称:デコメ)」は死語になり、「ライン教えて」が当たり前になっています。
テクノロジーというのは知らず知らずの内に生活に浸透し、それが当たり前になるのです。
今はまだ怪しいと思われているものでも5年後、10年後はそれが当たり前になっていてスマホからVR・ARグラスに変わっているかもしれません。
前置きが長くなりましたが、これからはじまる時代で損な生き方をしないためにも正しく情報を取り、理解することが不可欠です。
今回はそんな新時代のコアワードでもある『Web3.0』について徹底解説していきます。
もくじ
Web1.0〜2.0の歴史
それでは今回のテーマのWeb3.0を正しく理解するためにも、まずはWeb1.0〜2.0の歴史から見ていきましょう。
インターネットの誕生(Web1.0)
今では当たり前になったインターネットも登場した当時は大きな衝撃を与えました。
昨年の年末にウェブ界隈のTwitterで話題になったMicrosoft創設者ビル・ゲイツが1995年にテレビ番組でインターネットについて語ったシーンは、まさに今のWeb3.0の状態と似ています。
テレビ番組中、司会者が「インターネットで野球が放映されるみたいだけど、ラジオと何が違うの?いつでも再生できるって?テープレコーダーで十分だよね。」とコメントするのですが、今の生活では当たり前になっています。
In 1995, only two years after the birth of the worldwide web, @BillGates tried to explain ‘The Internet’ to David Letterman
— Vala Afshar (@ValaAfshar) December 17, 2019
Technology pioneers today face the same difficulty and ridicule as they attempt to describe artificial intelligence and blockchain pic.twitter.com/HvRoPF6V1L引用:https://twitter.com/valaafshar/status/1207048686414573572?s=21
そしてビル・ゲイツが説明した「インターネットとはホームページなどを通して誰でも情報を発信することができる」という言葉は、メディア関係者しか発信できなかった当時にとって衝撃的であると同時に理解し難いものであったのです。
インターネットで繋がれる時代(Web2.0)
続いてWeb2.0についてですが、簡単に言うとインターネットに「ソーシャル性」が生まれた時代といえます。
ちなみに現在(2022年1月)はWeb2.0時代です。
これまでのWeb1.0時代ではひたすら発信をするのみで、誰かと交流するということは不可能でした。
しかし、これを読んでいる皆さんも普段から触れているであろうSNSの登場によりインターネットは進化を遂げました。
今では誰もが利用しているSNSですが、当時は「日本人は実名制のFacebookなどはやらない」なんてことも言われていました。
現状のFacebookは当時、声を大に批判していた中高年世代が主流になっていますが。(笑)
現在ではインターネットを使う人の目的はTwitterやInstagram、TiktokなどのSNSを使って人と繋がることが大きく占めています。
この「人と人がインターネット上で繋がる」を大きく後押ししたのがスマートフォンの普及です。
従来のWeb1.0時代ではパソコンが必要だったので、ごく一部の人にしかインターネットの恩恵を受けられませんでした。
そこに突如、登場したのが当時iPodを作っていたApple社が出したiPhoneです。
また同時期に各キャリアからAndroidも登場し、スマートフォンの普及は一気に進みました。
スマートフォンの普及によってSNSの他にYoutubeなどの動画コンテンツサービスも大きく市場を拡大しました。
Web1.0時代は動画を撮るには重いビデオカメラを使って撮影しなければなりませんでしたし、ましてや動画を高画質でインターネットにアップロードするなど不可能でした。
たった20年ほどで気軽に撮影ができるようになり、スマホやパソコンの解像度が上がったことはかなり大きな進化だといえるでしょう。
そして、SNSの普及に合わせてネットショッピング(Eコマース)も大きく成長しました。
Web2.0は、今ではどこでも目にするアメリカのビッグテックGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)を誕生させたのです。
Web2.0はこれからもスマホからAR・VRグラスへと形を変え、技術革新を行っていくことは間違い無いでしょう。
これからのGAFAの動向にも注目です。
Web2.0が抱える問題
ここまでで現在のインターネットの姿、Web2.0までの歩みについて解説してきました。
誰もが発信できるようになり、動画をアップロードして視聴できて、どこでもショッピングできるようになりました。
これだけ便利になってこれ以上、求めることなんてあるの?と思う方もいるかもしれません。
しかし、大きな問題がWeb2.0にはあります。
それを解決するのがWeb3.0になるのですが、まずはWeb2.0の問題点について解説します。
プライバシー問題
Web2.0を代表するGAFAに対してプライバシー問題が物議をかもしているというのは聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
サイト閲覧によって個人情報が悪用される危険性があるのです。
このことを解説する上で、キーとなる事件があります。
『ケンブリッジアナリティカ事件』です。
アメリカでは大きな話題となったのですが、日本ではほぼゼロに等しいくらいニュースになりませんでした。
どういった事件なのかと言うと、当時Facebookと連携したクイズアプリが流行っていました。
そのクイズアプリの利用者の個人情報がトランプ大統領選などの際に使用されていたのです。
さらに恐ろしいのはフェイクニュースを使って政治的思想を流し込み、投票が偏るようにすらされていました。
人との繋がりを求めてFacebookを使っていただけなのに、著名人の悪いニュースを流され嫌いになったりする、もっと怖いのは戦争的思考を広告によって植え付けられれいくなんてことも起こりかねません。
そして日本でも話題になったニュースとしては、LINE Payが13万人の個人情報を流出させるなんてこともありました。
LINE Payを利用している人はかなりの数いますが、こういった事件が起きてしまっているのが今のWeb2.0の現実です。
Youtubeで動画を見ていてもプレミアムに加入していない限りは、広告が入ってきます。
つまりGoogleや各SNS社にとって私たちは「顧客」ではなく「商品」になっているのです。
中央集権的である
いくらGAFAといえどもこの世の神でもなく、一企業です。
たしかに時価総額や保有資産は大きいですが、何をしても許されるという訳ではありません。
しかし、トランプ元大統領のTwitterアカウントは凍結されました。
Web2.0の現代ではSNS企業がユーザーを生かすも殺すも決めることができるのです。
さらに、中国では基本的にGAFAサービスは使えないようになっています。
反対にトランプ元大統領は中国のテック企業ByteDanceが提供するSNS「Tiktok」は使えないようになっていた事もありました。
このようにWeb2.0が生み出した世界は、人と人が繋がるという本来の姿だけでなく政治的問題、国と国の国際問題まで発展してしまいました。
私たちSNSを利用する人たちは知らず知らずのうちに巻き込まれているのです。
SNSの利用規約にある知りたくなかった事実
さて、ここで質問です。
皆さんはInstagramの利用規約を読んだことはあるでしょうか。
利用者がサービス上で、またはサービスに関連して、知的財産権の対象となっているコンテンツ(写真や動画など)をシェア、投稿またはアップロードする場合、利用者は、弊社が(利用者のプライバシー設定およびアプリ設定に沿って)利用者のコンテンツをホスト、使用、配信、変更、実行、複製、公演、公開または翻訳し、またその派生作品を作成できる、非独占的、使用料なしの、譲渡可能、サブライセンス可能な、全世界を対象としたライセンスを弊社に付与するものとします。
引用:https://m.facebook.com/help/instagram/581066165581870?locale2=ja_JP
要するに皆さんが普段何気なくあげている、恋人との写真、休日に出かけた場所、今日食べたランチの情報は全てInstagramの運営元Meta社のものとし、無断で使用できるということが書かれているのです。
これはInstagramに限った話ではありません。
Youtubeでも同じく動画の使用権限は運営するYoutube側にあると書かれています。
また、以下のようにYoutube側の独自の判断でユーザーがあげた動画を勝手に削除できるともあります。
YouTube は、以下のいずれかに該当すると合理的に判断する場合、独自の裁量によりコンテンツを削除する権利を留保します。
引用:https://www.youtube.com/static?template=terms&hl=ja&gl=JP
つまり、私たちが発信した内容の所有権は全てSNS企業のものになります。
分かりやすくいえばレンタルスペースを借りているようなものです。
投稿は発信した私たちのものではないのが現状です。
購入した電子書籍は誰のものなのか
今では当たり前になった電子書籍「Kindle」本もいくら自分で購入していたものだとしても何らかの理由でAmazonのアカウントが消えた場合は全てなくなります。
引用:https://anond.hatelabo.jp/20210820235834
これがWeb2.0の現実です。
どれだけ政治的実権を持っていても、称えられるような功績があってもSNSや動画配信サービスを使っている時点で私たちは、巨大なテック企業に尻尾を捕まえられているのです。
日本では起こるかは分かりませんが、中国などではテック企業と国家が手を組んで国民のメッセージのやりとりを監視して、非国民と判断した場合は逮捕されることもあるそうです。
このように現代のWeb2.0社会では絶対的な力を持った巨大テック企業に抗うことはできないのです。
また、ペーパーの書籍であれば読み終わった後に古本屋に持っていくと売ることができます。
しかし、Kindleなどの電子書籍は売ることができません。
テクノロジーは進化したのに、よくよく考えてみると退化しているといえますよね。
では、なぜKindle書籍は売ることができないのでしょうか。
答えは、Amazonが儲からないからです。
このことからも、まさにWeb2.0は中央集権的であるといえるでしょう。
『Web3.0』の登場で生まれるもの
ここまでで現代のWeb2.0における危険性について解説してきました。
それでは、いよいよ本題の『Web3.0』について解説していきます。
まずは、現在すでにあるWeb3.0サービスから紹介します。
Pancake Swap(分散型取引所)
こちらは世界最大手の仮想通貨取引所である「Pancake Swap(パンケーキスワップ)」です。
仮想通貨取引所というのはビットコインをイーサリアムなどに交換できる場所です。
海外旅行に行った際は空港などで円をドルやウォンと交換しますよね。
それの仮想通貨版とイメージしてみると分かりやすいです。
世界最大手の仮想通貨取引所とはどれくらい規模が大きいのかと言いますと、一日あたり2000億円以上もの取引が行われているのです。
この「Pancake Swap」というプロジェクトは世界各国にいる完全匿名の「シェフ」と呼ばれる人たちが運営しているのですが、どこの誰がやっているかが分からないサービスが世界一になる、これがWeb3.0の面白いところでもあります。
Web3.0ではIDとパスワードも不要
さらに、ここからWeb3.0の凄さについて解説していきます。
Web3.0ではIDとパスワードの入力はいりません。
「え、IDとパスワードがいらないってどういうこと?」
「パスワードがない世界ってWeb2.0よりもプライバシー問題があるのでは?」
こんな風に思う方も多いのではないでしょうか。
Web2.0の世界ではIDとパスワードは当たり前でしたが、パスワードの管理に困った経験がある方も多いのではないでしょうか。
これがWeb3.0ではそもそもの個人情報を登録する作業も不要になります。
では、どうやってサービスにログインするのかというと仮想通貨ウォレットを使います。
Web3.0の世界ではウォレットを接続するだけでサービスを使うことができます。
もう下のようなログイン画面が古くなり「そういえばIDとパスワード入力してたな〜」なんて時代がもう間近に迫っているのです。
Web3.0の世界でのいわゆるログイン(コネクト)方法は以下のようなサービス上にあるConnect Walletボタンを押します。
すると以下のように接続するWalletが出てくるので自分のWalletを選びます。
ウォレットを選んだら選んだWalletの画面になり、接続を許可して完了です。
サービスを使わない時はウォレットの接続は自動で切れる仕組みにもなっています。
パスワードを探しまくっていたWeb2.0時代と比べて格段に楽な作業になりました。
そもそも個人情報を登録せずに利用できるので今まで問題視されていた個人情報漏洩やプライバシー侵害のリスクは全くありません。
さらに、ウォレットは改ざんのできない強固なブロックチェーンで作られているので、ウォレット内の仮想通貨が盗まれる心配もありません。
そしてウォレットがあれば世界中のどんなサービスでも使えるのです。
決済する時にわざわざクレジットカードのナンバーを入力する手間も省けるのです。
実際にWeb3.0のサービスは一切個人情報を持っていません。
これは私たちにとっても安心ですし、企業側にとっても個人情報を管理しなくていいのです。
仮想通貨の銀行的存在「De-Fi」
仮想通貨の銀行と分かりやすく表現しましたが、どういったものなのかというと仮想通貨の貸し借りができるサービスになります。
「お金の貸し借り!?借金はやりたくない!」と逃げるのは待ってください。
少し話が逸れますが、今ある銀行も同じような仕組みになっています。
皆さんが銀行に何気なく預けているお金は、銀行に対して貸し出しているという仕組みなのです。
銀行は皆さんから預かったお金を企業などに貸し出しています。
つまり預金と借金は紙一重で、皆さんは知らず知らずのうちに企業にお金を貸している、そういった仕組みになっているのです。
仮想通貨にも、既にレンディング技術「De-Fi(decentralized finance:分散型金融)」というものがあります。
こちらはイーサリアムのブロックチェーン上に作られたサービスで、通貨を貸し出すと高額なリターンがもらえることもあるので2021年にはかなり盛り上がりを見せました。
2022年となった現在でもまだまだ成長市場であり、今後も期待できるでしょう。
デジタルコンテンツに価値がつくNFT
昨年から市場トレンドとなり、GENERATIONSの関口メンディーさんなど多くの著名人も購入されているNFTアート。
こちらはブロックチェーンを使ってデジタルコンテンツに所有権と価値をつけるものです。
最近ではメタバース空間に作られた土地(ランド)のNFTに勢いがあり、ナイキやアディダスといったスポーツブランド、グッチなどのハイエンドブランドまでも参入しています。
とはいえ、日本ではまだまだ一般化はしていません。
しかし、今年2月25日から楽天からNFTサービスが登場するので、今後はますますNF T市場が加速することでしょう。
NFTとは?仮想通貨との関係性は?話題のNFTアートについても解説
ゲームをしてお金がもらえるGameFi(ゲーミファイ)
Web3.0の時代ではゲームをするとお金がもらえるようになります。
これは今あるeスポーツと言われるプロゲーマーという職種とは異なっていて、ゲームをプレイするだけでお金がもらえるのです。
ゲームしながらお金が稼げることから、「Play to Earn(プレイトゥアーン)」略して「P2E(ピーツーイー)」や、GameとFinanceを組み合わせて「GameFi(ゲーミファイ)」といったりします。
ここではNFTゲームの代表作『Axie Infinity(アクシーインフィニティ)』を例に解説します。
『Axie Infinity(アクシーインフィニティ)』は2018年にリリースされたベトナム発祥のNFTゲームです。
NFTゲームとはブロックチェーンを基盤に作られたデジタルゲームを指し、ゲーム内のキャラクターやアイテムが全てNFTになります。
『Axie Infinity(アクシーインフィニティ)』は「Axie (アクシー)」と言われるモンスターを集めて戦わせる対戦ゲームです。
ゲーム内では仮想通貨を入手できたり、NFTのモンスターやアイテムを売買できるので、稼げるゲームとして人気を集めています。
時給換算すると800〜1000円/時間 は稼ぐことが可能です。
初期投資として4万円ほどは課金しなければいけませんが、長いスパンで考えた場合ゲームで稼げるのであればかなりお得だと言えます。
また、『Axie Infinity(アクシーインフィニティ)』はフィリピンで絶大な人気を誇っており、実際にゲームをすることで生計を立てる若者も多くいます。
コロナ禍で外仕事ができなくなった際、『Axie Infinity(アクシーインフィニティ)』をプレイし現実世界で家を建てたというニュースは世界を驚愕させました。
現在『Axie Infinity(アクシーインフィニティ)』は世界で最も稼いでいるゲームです。
これから日本のゲーム業界でもこのような動きが起こる可能性は十分にあり得ます。
就職せずにゲームをして稼ぐ、そんな時代が実現する日は近いでしょう。
自分の市場価値が分かる分散型SNS
ここまで分散型の金融、アート(デジタルコンテンツ)、ゲームとご紹介してきましたが最後に忘れてはいけないのがSNSやYoutubeのようなです。
もちろん、Web3.0の世界でもSNSは存在します。
BitClout(ビットクラウト)
BitClout(ビットクラウト)は自分の価値を可視化することができるSNSです。
名前の由来にもなったCloutとは「影響力」という意味で、大きな仕組みとしては少し前に話題になったValueに似ています。
しかし、決定的に違うのはBitCloutでは仮想通貨を使った仕組みでブロックチェーンで動くプラットフォームになっていることです。
またBitCloutの大きな特徴として、ユーザーが各ユーザーが発行するクリエーターコインを購入することができることです。
つまりユーザーそれぞれに価値がつくので有益な投稿をしている人にはクリエーターコインが送られる、まさにクリエーターエコノミーなSNSだといえるでしょう。
SNSとしての機能は画像のようにTwitterに似ており、投稿は280文字以内で画像の投稿、いいね!やコメント、気になるユーザーをフォローすることができます。
DeBank(ディーイーバンク)
DeBank(ディーイーバンク)はWeb3.0時代の新しいSNSです。
DeBankの起源としては仮想通貨のポートフォリオ管理ツールになります。
前述したDe-Fi(ディーファイ)を使っている人ならご存知の方も多いでしょう。
そんな仮想通貨の管理ツールだったDeBankが、最近SNS機能を搭載しました。
現在は、タイムライン機能こそないもののユーザーのウォレットが丸見えという斬新なSNSになっています。
「仮想通貨ウォレットの中身が丸見えなんて何のメリットがあるのか、むしろプライバシー問題じゃないの?」
と、思う方もいるとは思いますがちゃんとメリットはあり、それもまた今までのSNSでの問題解消にも繋がっているのです。
詳しく知りたい方は、仮想通貨投資家イケハヤさんのnoteで詳しく解説されているのでこちらをご覧ください。
Web3.0時代における働き方
Web3.0ではこれまで趣味で作っていたデジタルアートや何気なくSNSにアップした日常の投稿、ただの遊びと思われていたゲームをすることで収益化することが可能になります。
つまり新しい働き方が誕生するのです。
ここでは、Web3.0時代で登場する働き方について紹介します。
ブロックチェーンゲームスカラーシップ
ブロックチェーンゲームスカラーシップとは投資家に雇われてブロックチェーンゲームをプレイし、報酬を投資家とゲームプレイヤーとで山分けするという働き方です。
フィリピンなどを中心にこういった働き方は既に一般化しつつあります。
このブロックチェーンゲームスカラーシップという働き方、具体的には投資家はゲームのプレイをするための初期投資を行います。
前述したブロックチェーンゲーム『Axie Infinity』を例にするとPlay to Earnを実現するためには約4万円ほどの課金は必要になります。
その課金(初期投資)を投資家が行い、プレイヤーにゲームをしてもらい報酬を生み出してもらい数割ずつといった形で山分けをする仕組みになります。
既に日本でも仮想通貨投資家の元にフィリピンのスカラーシップ希望者から応募があり、実際に雇用が生まれています。
なぜこういったことが可能になるのかというと、日本の平均月収は20~30万円ほどですがフィリピンの平均月収は4万円ほどです。
このことからフィリピン人にとっては数割分の報酬をシェアしたとしても十分な生活ができるのです。
また、これまでの時代では円やドルなど国を変えた送金にはかなり手間がかかりました。
しかし、ビットコインなどの仮想通貨であれば瞬時に送金することができます。
仮想通貨が世界共通の通貨であるということは従来では実現できなかったことができるようになる、これはまさに時代の革命といえるでしょう。
Web3.0が解決するもの
ここまででWeb3.0の技術革新によって新しいサービスが生まれることは分かりましたが、本当にWeb2.0の抱える問題点は解消できたのでしょうか。
ここではWeb3.0によって解決するものについてまとめてみました。
- プライバシーの問題
- ターゲティング広告の表示
- 中央集権問題
- 国際送金問題
- 国境などの制限された市場の問題
解決①:プライバシーの問題
これまでのWeb2.0の大きな問題であったプライバシーの問題ですが、Web3.0のサービスではウォレットを繋ぐだけなので、個人情報を提供する必要がありません。
個人情報の提供がないので、ユーザーは個人情報の漏洩リスクや悪用を心配することがなくなります。
また、サービス提供を行う運営側も個人情報を管理することがなくなるのでサービス改善や事業の拡大に集中することができるのです。
また、個人情報を提供しなくて良くなるため発信者側が一方的に自身の情報を晒して、閲覧者側から攻撃されるということもなくなっていくと予想されます。
解決②:ターゲティング広告の表示
個人情報を提供しないということは、誰もが匿名でインターネットを利用することができるのです。
匿名性を持ってインターネットを閲覧できるようになると、これまで煩わしく感じていた突然画面いっぱいに表示される広告も見なくてよくなります。
Youtubeで動画を見ているときに「5秒後にスキップできます」といった広告を鬱陶しく感じた方も多いのではないでしょうか。
これから本格的に実現するWeb3.0の世界では誰もがノンストレスでインターネットを利用できるようになるのです。
解決③:中央集権問題
これまでのWeb2.0ではGAFAという巨大テック企業のもとで活動をし、個人情報や発信するコンテンツはすべて運営側のものという中央集権型の世界でした。
この巨大テック企業のもとではアメリカの大統領であったとしても発信することが制限されたりと、個人における言論の自由はかなり制限されていたのです。
しかし、Web3.0の世界では匿名でサービスを使うことができるので誰でも自由に発信することができます。
またこの中央集権問題はGAFAだけでなく、国家にも置き換えることができます。
中国で仮想通貨が禁止になったというニュースは有名ですが、厳密にいうと中国でも仮想通貨を使うことができます。
どういうことなのかと言うと、Web3.0の世界では個人情報を入力することはなく、ウォレットの接続だけでできるので国家も誰が使っているのかを把握するのは困難になるのです。
こちらはdydxというウォレットを繋ぐだけで利用できる取引所です。
dydxではVPNとDe-Fiを使えばたとえ中国であっても問題なく仮想通貨取引ができます。
このことからも企業や国家が力を持ち過ぎる世の中から、より人々が安全にそして自由に生きていける世の中がWeb3.0によって誕生するのです。
解決④:国際送金問題
これまでは日本から海外に送金するとなるとかなりの手間がありました。
たとえば仕事などで日本からフィリピンに国際送金を行いたいと思った時は、まず国際送金に対応したメガバンクに行きます。そして窓口などで国際送金を行いたい旨を伝え、審査にかけられます。審査が通ると手数料を払いやっと送金できるのです。
このように国際送金を行うためには、時間も手数料もかなりかかるというのが現状です。
しかし、Web3.0ではウォレットからウォレットへの移動だけなので国際送金がすぐにできる仕組みになっています。
銀行など一切介在しないP2P(Peer to Peer)で手数料がかかることもありません。
メールを送るようにウォレットアドレスさえ教えてもらえば、すぐに送金ができるのです。
こう聞くと財布の情報を相手に教えるなんて嫌だと思われるかもしれませんが、このウォレットアドレスは何個でも持つことが可能です。
また複数個のウォレットを持つ場合でもアドレスの発行は一瞬で発行することができます。
ですので、メインの財布、送金用の財布といったように用途に合わせて使い分けられるので、自分の資産がある財布を公開する必要はありません。
このようにインターネットとお金が直接結びついていることから、将来的にはWeb3.0の動画コンテンツサービスでは講義を見終わった人にNFTを送ります、そのNFTを売ってお金にするもしないも自由ですといった具合になるかもしれません。
大学の講義を受けると単位が取得できますが、称号NFTを配布しますの方が面白いですよね。
売っても価値になるし、売らずに寝かせておいて2022年度〇〇大学のNFTといったように数年後にプレミア価値がつくといった方が学生のモチベーションも上がるかもしれません。
インターネットに直接結びついたお金を可能にするWeb3.0は、まさに大きな革命といえるでしょう。
解決⑤:国境などの制限された市場の問題
Web2.0の世界では市場が広がったといえども、完全にグローバルに広がったとは言い難いものがありました。
Amazonを例に挙げてみます。
下記は日本とアメリカそれぞれのAmazonの画面です。
この画像で何を表しているのかというと、同じAmazonなのにそれぞれ別のサイトになっているのです。
URLを見ていただくと分かりやすいのですが日本版Amazonは、https://www.amazon.co.jp に対して本国アメリカのAmazonは、https://www.amazon.com になります。
つまり、アメリカのAmazonで出品されているものは日本のAmazonで購入はできませんし、反対に日本のAmazonに出品したものはアメリカに住んでいる人には知られることはないのです。
グローバル社会だと思っていたのにこれは大きな矛盾点ですよね。
しかし、Web3.0ならそれも叶います。
こちらのOpen Seaを例に挙げると世界各国の人がアクセスする巨大なNFTプラットフォームになっています。
OpenSeaに作品をアップロードすると日本だけでなく、アメリカやヨーロッパ圏、東南アジア圏といった世界各国の人に知ってもらうことができるのです。
周知することができるということはそれだけ売れる確率も上がるという訳です。
商品やコンテンツを販売することにおいても、Web3.0はグローバル中のグローバルな革新であるといえるでしょう。
Web3.0実現するための課題
ここまでWeb3.0の可能性について解説してきましたが、このWeb3.0を実現するための課題もあります。
- 利用ハードルが高い
- 技術面での限界
- 全て自己責任
- 法的な整備が追いついていない
それぞれの課題について触れていきます。
課題①:利用ハードルが高い
Web3.0は実現するための大きな課題として、まだまだ利用ハードルが高いということです。
ほとんどの人はまず、仮想通貨ウォレットを使うという時点で挫折するのではないでしょうか。
実際問題、Web3.0のサービスは仮想通貨に触れていたり、IT人材でリテラシーが高い人であっても使いこなすのは至難の技となっています。
今すでにNFTやブロックチェーン技術を本当に使いこなしている人もごく僅かで俗に言うギークという人たちが大半だと思います。
最新テクノロジーを学び続ける姿勢を持った人は、残念ながら日本よりも海外の方が多いことも現状なのでまだまだ我が国では普及されるのには時間がかかるだろうと踏んでいます。
課題②:技術面での限界
次に挙げられる課題として現時点における技術的な限界があります。
分かりやすい例として最も使われているWeb3.0技術のイーサリアムを挙げてみます。
イーサリアムはまだまだガス代と呼ばれる手数料が高いのが現実です。
NFTなどを触ったことがある人は分かるかもしれませんが、その時によってはガス代(手数料)だけで3万円ほど取られてしまうこともあります。
また、発展途上中の新しい技術なのでバグが多いということも欠点です。
今後いろいろなサービスが登場してきますが、通信混雑による遅延など様々なバグが起こることでしょう。
そして、日本人にとって大きな壁となるのが全サービス英語という点です。
世界共通サービスなので英語で書かれていることは当然ですが、グローバル社会から遅れをとっている日本人にとってかなりのネックになることでしょう。
課題③:全て自己責任
今までのWeb2.0のサービスに比べてWeb3.0のサービスは完全に自己責任での管理が必要になります。
間違って送金してしまった場合は取り戻すことができませんし、ウォレットのパスワードを忘れてしまった場合は誰もそのウォレット内の資産を取り出してはくれないのです。
これまではGoogleやAmazonのパスワードを忘れてしまっても良くも悪くも中央集権的であったため運営側にパスワードを再発行申請することができましたが、Web3.0では不可能です。
また、匿名で利用できるということは詐欺の横行にもつながるので、情報弱者は一気に狩り取られてしまいます。
現にWeb3.0サービスを利用していると海外の人から突然怪しげなメッセージが来たりということも発生しています。
Web3.0における有名な合言葉として「DYOR(Do Your On Research)」というものがあります。
要約すると「ググれ!」という意味です。
つまり自分で調べて情報をとることができない人にはWeb3.0は難しいといえるでしょう。
課題④:法的な整備が追いついていない
ここまでWeb3.0の解説している中でもあったように、政府がWeb3.0サービスの利用を禁止したりとそもそもで法的に大丈夫なの?と言いたくなることも多いかと思います。
もちろん日本においてもウォレット系のサービスは全面禁止となる可能性もゼロではありません。
しかし、中国で仮想通貨を禁止しても使えるようにWeb3.0の特徴でもある匿名性は大きな抜け道になります。
完全匿名性で利用できるものに対してどうやって規制をつけるか、ここがきちんと定まるにはまだまだ時間がかかるでしょう。
まとめ
今回はWeb3.0について解説しました。
Web3.0の登場によってまた新しい情報社会が誕生することででしょう。
これまではデジタルアートを作ったり、情報を発信しても陽の目を浴びなかったクリエイターもWeb3.0によって価値が目に見えてわかる世界になります。
また、ゲームで稼げたりとスカラーシップのような新たな働き方も生まれます。
国際送金もできるので自宅にいながらも海外の人と仕事をすることが今後は当たり前になっていくでしょう。
Web2.0から完全にWeb3.0に移行というよりはWeb2.0と並行して成長していくことが見込まれています。
GAFAも徐々にWeb3.0を取り込んでいく流れというのが予想できます。
そして、先日TwitterがWeb3.0を取り入れるというニュースがありました。
内容はNFTをプロフィール画像にすると自身のウォレットやOpenSeaと繋げることができるというのです。
日本ではまだ対応されていないのですが、これも時間の問題でしょう。
Twitterを利用する日本人は多いので、これでより一層Web3.0への関心が高まるのではないかと個人的に期待しています。
おはようございます☀
— 🛰ryutaro.eth💃MetaverseEventer (@ryutaro_eth) January 21, 2022
今日は朝からビッグニュースが🙌😆
Twitter Blueも初めて知りましたが、米国企業のネーミングセンスってカッコいいですよね✨日本ではもう少しかかるみたいですが今年は大きく変わる予感!
テクノロジーが普及して感染症や無差別事件に巻き込まれない世の中になってほしいな😌 https://t.co/rN7yg2vri7
とはいえ、法整備が追いついていなかったりとWeb3.0にも大きな課題は残されています。
おそらく2025年にはある程度は普及するのではと予想立てられていますが、日本で定着するのは2030年かもしれません。
今後のWeb3.0の動向に期待しながら、来たる時代に向けて事前準備を着々と進めていきましょう。